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前川 藤夫; 前川 洋
JAERI-M 93-017, 53 Pages, 1993/02
現在の技術によるトリチウム生成率の測定精度評価を目的として、第2回核融合中性子工学実験のためのトリチウム生成率測定法の国際比較が実施された。原研FNSとローザンヌ工科大学(スイス)のLOTUSの2つの14MeV中性子源施設が使われた。単純幾何形状からなる核融合模擬ブランケット体系内の均一中性子場で、7ヶ国の9機関から送られたリチウム化合物の試料が照射され、試料中のトリチウム生成率が各機関独自の方法で測定された。また、未知ではあるが同一濃度のトリチウム水試料が配布され、その濃度を各機関が測定して共通の基準とした。測定されたトリチウム生成率の機関内のバラつきは、FNS,LOTUS照射共に標準偏差で約10%であり、期待していた値である5%を越えた。このバラつきは主に、照射試料からのトリチウム水抽出過程における各機関依存の系統的な誤差に原因の多くがあると推察された。
根本 剛; 大内 仁; 岡田 尚; 鈴木 徹; 近藤 勲; 高橋 芳晴
PNC TN8410 91-105, 27 Pages, 1991/05
再処理プロセスまたはスクラップ燃料回収プロセスにおいて,溶媒抽出工程で使用し劣化した溶媒は,炭酸ナトリウム溶液を主成分とする溶媒再生法で処理している。しかし,この処理に伴って発生する硝酸ナトリウムを含む二次副生物の低減化が重要な課題になっている。現在,これらの課題を解決するため,溶媒抽出工程の短縮化,抽出装置での有機相/水相の分離時間の短縮化,ソルトフリー溶媒再生技術の開発等が検討されている。我々は,溶媒抽出工程の短縮化の一つとして,低温晶析法の分配工程への分離・精製の可能性について技術開発を進めている。この低温晶析法を定量的に評価するために,分離・精製時の硝酸ウラニルあるいは硝酸プルトニウム中に含まれる微量成分の挙動が重要な要素になる。これまでの既存文献では,低温領域での硝酸濃度をパラメータとした硝酸塩の溶解度についての測定値がほとんどない。今回,室温から-30までの温度範囲における一部の硝酸塩(Cs,Sr,Ce,Nd,Zr)の溶解度を測定し,温度-硝酸濃度を変数とする溶解度を数式化した。また,硝酸ウラニル溶液については,既存の文献値を用いて数式化した。今後,引き続き核分裂生成物の硝酸塩についての溶解度を測定し,数式化したデータを蓄積することにより,低温晶析法の分離・精製の可能性を定量的に解析するデータにすると共に,低温技術開発の基礎データとして活用できるものと考える。
根本 剛; 大内 仁; 岡田 尚; 鈴木 徹; 近藤 勲; 高橋 芳晴
PNC TN8410 91-014, 31 Pages, 1991/01
再処理プロセスやスクラップ燃料湿式改修プロセスに使用しているTBP-nドデカン系混合溶媒のソルトフリー再生処理をめざして、室温以下の低温技術(凍結真空乾燥法、低温真空蒸留法、低温晶析法等)による処理の可能性について技術開発を進めている。これらの低温技術の中で低温晶析法による分離・再生技術の開発を進める際、先ず最初にその系の固液平衡関係から分離の可能性、分離成分の純度等を推定するのが一般的であるが、TBP-nドデカン系混合溶媒の固液平衡関係についての既存文献には見当たらない。そこで、示差走査熱量計によりTBP-nドデカン系混合溶媒の固液平衡関係を測定した。その結果、本系は最も単純な型である単純共融型の固液平衡関係にあることが確認できた。したがって、固液平衡図から低温晶析時の冷却速度、撹はん速度等の処理条件やそれに適した処理装置を選定することにより、低温晶析法による再生・処理の可能性があることが判明した。